【症例】保険診療と自費診療によるメタルフリー治療
2022/07/23 症例
治療概要
治療内容 | 金属アレルギーがある患者様に対する、保険診療と自費診療を組み合わせたメタルフリー治療 | 期間 | 12ヶ月(メタルフリー治療) |
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治療回数 | メタルフリー治療12回+根管治療 21回 | 費用 | 保険診療 ■コンポジットレジン充填1本約1,000円×5本=約5,000円 ■コンポジットレジンインレー 1本約1,000円×1本=約1,000円 ■CAD/CAM冠 1本約5,000円×4本=約20,000円 ■高強度レジンブリッジ 約14.000円(金属アレルギー診断書がある方が対象/税込) 自費診療 ■オールセラミッククラウン1本88,000円×2本=176,000円(税込) |
治療前の状態・主訴
患者様は金属アレルギーがあり、「金属が入っている歯と虫歯の歯を、すべて自然な白い歯にしたい」とのことで来院されました。
お口の中を確認したところ、金属は上に8本、下に4本入っていました。患者様に、治療方針や歯科素材の特徴、費用などをご説明した結果、保険診療と自費診療を組み合わせて治療を行うことになりました。
治療詳細
金属の入っていた歯(虫歯、不適)13本、根管治療7本の治療を行いました。
根管治療(保険診療)
右上5・7番、左上1・4・5番、右下の5・7番の歯に対して、根管治療を行いました。治療回数は、1本につき3〜4回です。
コンポジットレジン(保険診療)
左下5・6・8番、右下4・6番の歯はコンポジットレジン(以下、レジン)を充填しました。まず虫歯を除去してから、レジンを充填。3つのブロックに分けて、計4回で治療を行いました。
<コンポジットレジンとは?>
プラスチック素材で、金属アレルギーの心配がなく、保険適用のため治療費用を抑えられるメリットがあります。吸水による変色、柔らかさによるかみ合わせの低下、かけやすいなどのリスクがあります。
コンポジットレジンのインレー(保険診療)
左上6番の歯はレジンのインレーを使用しました。インレーとは「詰め物」のことです。こちらも最初に虫歯の除去と型取りを行い、2回目の診療でレジンのインレーを装着しました。
CAD/CAM(キャドキャム)冠(保険診療)
左上4・5番、右下5・7番の歯はCAD/CAM(キャドキャム)冠を用いて治療しました。1回目の治療で形を整えて型取り。2回目でCAD/CAM冠をセットしました。治療回数は計4回でした。
※7番の歯は、金属アレルギーの診断がある方のみ適応可能です。
<CAD/CAM(キャドキャム)冠とは?>
レジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリッドレジン素材を、機械で削って作った白い被せ物(冠)です。2020年9月より「CAD/CAM(キャドキャム)冠」が一部の歯に対して保険適用が認められ、2022年4月より「CAD/CAM(キャドキャム)インレー(詰め物)」も保険適用となりました(適用には条件があります)。
★レジンとCAD/CAM(キャドキャム)の違いについては、下記ページをご覧ください。
2022年4月からメタルフリーの詰め物「CAD/CAMインレー」が保険適用になりました
高強度レジンブリッジ(保険診療)
右上5・6・7番の歯は高強度レジンブリッジを使用しました。1回目の治療で形を整えて型取り。2回目の治療でセットしました。治療回数は計2回です。
※金属アレルギー診断がある方のみ適応。
<高強度レジンブリッジとは?>
レジンにグラスファイバーを混ぜて強度を高めた素材です。ブリッジは、両側の歯を支えにして入れる被せ物のことです。
オールセラミッククラウン(自費診療)
上顎前歯2本は、オールセラミッククラウンで治療しました。
1回目の治療で前歯の差し歯を除去し、本歯の形に近い仮歯を作るための型取りを行いました。2回目で仮歯セット、3回目で仮歯の形の確認と調整、4回目でオールセラミックの型取り、そして5回目でオールセラミックをセットしました。
<オールセラミッククラウンとは?>
セラミック(陶器)だけで作ったクラウン(被せ物)です。強度、審美性ともに優れています。
治療後の様子
口腔内の金属はすべてなくなり、口腔内の金属が原因でアレルギーを発症するリスクは低減されました。また、ご自身の歯と区別がつかないほど、自然な見た目の歯に仕上がり、気兼ねなくお口を開けて笑ったりお話したりいただけるようになりました。
愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」では、患者様のお話をしっかりとお聞きし、お口の状態や体質に合わせて、治療費用・期間を相談し、診療計画を立てております。今回の症例のように自費診療と保険診療を組み合わせて治療することも可能です。
主な副作用・リスク
・レジンのインレーは吸水による変色の可能性があります。
・レジンのインレーはCAD/CAM(キャドキャム)インレーと比べて素材が柔らかいため、破折のリスクがあります。
・CAD/CAMインレー、CAD/CAM冠は、セラミックや金属と比べると強度は落ちます。
・CAD/CAMインレー、CAD/CAM冠は、は、吸水性があり変色のリスクがあります。
・セラミックは装着後の破損を防ぐために適切な厚みが必要です。そのため、装着する歯を適正な量だけ削らせていただきます。
・歯を削ったことで歯髄炎が起こる可能性があります。
・歯髄炎が起こった場合、治療回数が増える可能性があります。
<保険診療で可能なメタルフリー治療 適用範囲が広がっています>
虫歯の治療などで詰め物や被せ物として口腔内に入れた歯科金属は、金属アレルギーや掌蹠膿疱症を引き起こす可能性があります。
そのため、できるだけ歯科金属を除去したり、歯科金属を使わない治療をしたりすることが、全身の健康において非常に大切です。
保険診療では使える歯科材質に制限があるため、以前は金属の詰め物・被せ物でしか治療ができない歯も多くありました。しかし診療報酬改定により、5〜6年前から金属ではなく白い歯科材質で治療ができる歯が増えてきました。歯科材質そのものの研究開発や技術も進歩し、治療の選択肢は増えています。
治療においては、体との親和性が高いセラミックなどの素材を選ぶことをおすすめします。しかし、患者様のご希望をうかがい、保険診療のみ、あるいは今回のように保険診療と自費診療を組み合わせて治療することも可能です。
愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」では、患者様それぞれの全身の健康を考慮して診療を行っています。
院長の森本は年間600本以上のメタルフリー治療の実績があります。患者様に合わせた歯科材質の選定や、歯科金属を除去の際に金属が体に入らないようにする処置、歯の破折リスクへの配慮も行い、さまざまなケースに対応できるよう患者様に治療の選択肢をご提示しております。
また、治療のメリット・デメリットをしっかりとご説明し、ご理解いただいてから治療に取り組んでいます。
歯やお口のことでお悩み、ご相談がありましたら、愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」へ、どうぞお気軽にお越しください。
こちらもご参照ください。
全身の健康を考えた治療|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック
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もりもと歯科クリニック 歯科医師 森本将史