「よく噛むこと」が全身にもたらす8つの効果
2023/04/15 ブログ
こんにちは、愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。
当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただき、ありがとうございます。
みなさんは普段、食事をするとき、ひと口につき何回噛んでいますか?日本歯科医師会では「ひと口につき30回噛む」ことを推奨しています。
食育|全身との関わり|歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
しかし、現代人の、ひと口あたりの咀嚼回数は10〜20回と言われており、30回と比べて不足しています。なぜ、多く噛むことが推奨されているのでしょうか。それは、「よく噛む」ことは、全身にさまざまな効果をもたらすからです。では、その8つの効果を紹介します。
1.胃腸の働きを促進する
よく噛むと唾液が分泌され、唾液に含まれる消化酵素「アミラーゼ」などが、食物の分解を促します。
また、たくさん噛むと食物が細かく砕かれるので、消化器官への負荷が減り、食物をより効率的に消化することができます。消化酵素も食物に浸透しやすくなるので、消化がスムーズに進みます。
2.むし歯、歯周病、口臭を予防する
噛むと唾液の分泌が増えて、口腔内の細菌を減らすことができます。唾液には殺菌作用があるため、虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を防止できます。
さらに、よく噛んで歯を使うことによって、歯周組織の血流が増加し、歯肉の健康を促すことができます。これにより、歯周病の予防にもつながります。
虫歯や歯周病だけでなく、口臭予防にも効果的です。よく噛むと、歯に付着した食べかすや汚れをある程度取り除くことができるため、細菌が繁殖して口臭の発生を防ぐこともできます。もちろん、食べた後は歯をしっかり磨くことが大切です。
3.肥満を防止する
噛む回数を増やすと、自然と食事をゆっくり摂ることができます。すると、満腹中枢が刺激されるまでに時間がかかるため、一度に食べ過ぎてしまうことを防げます。また、多く噛んで消化が効率的に進み、栄養素がより速く吸収されることも、満腹感を得やすくなる要因です。
一方、あまり噛まずに早食いをすると、満腹中枢が刺激される前に食事を終えて、食べ過ぎてしまう可能性が高くなります。満腹感を得られる前に、次の食事を摂ってしまう可能性もあります。
4.脳の働きを活発にする
しっかり噛むと口腔内の筋肉が刺激され、脳に咀嚼の情報が送られて、脳は血流を増加させる反応を示します。これにより、脳に酸素や栄養素を運ぶ血液の流れが増えて、脳の機能が活性化されます。
また、咀嚼にはストレスを軽減する効果もあります。ストレスが軽減されると、脳の血流が増加し、脳の機能が活性化されることが分かっています。
5.全身の体力の向上
噛むと、咀嚼に関わる筋肉が鍛えられて、咀嚼力が強化されるだけでなく、全身の筋力が向上すると言われています。また、噛むことは脳の活性化にもつながり、身体の運動機能や認知機能の改善につながると考えられています。
さらに、食べ物をより細かく咀嚼すると胃腸内での消化が促進され、栄養素が効率的に吸収されるため、体力向上につながるとされています。
6.味覚が発達する
よく噛むと、食べ物の成分が細かく分散し、舌や口腔内の味蕾により多くの味覚情報が送られるため、食べ物の味や風味がより強く感じられるようになります。
また、噛む回数が多ければ、食べ物が口の中にとどまる時間も長くなるため、食べ物の風味をより繊細に感じ取ることができます。さらに、唾液中の酵素が、食べ物を崩す働きをするため、味をより感じやすくなります。
7.発音がはっきりする
よく噛めばその分、舌や唇、口腔内の筋肉が鍛えられます。すると、口の中で音を形成するために必要な筋肉が強化され、はっきりとした発音ができるようになる、とされています。顔の筋肉がよく動くようになれば、表情も豊かになるでしょう。
また、よく噛むと口の中の血流が増加するので、口腔内の粘膜や筋肉が健康的に保たれます。これも、正確ではっきりとした発音をするためには、重要なことです。
8.がんを予防する
唾液中に含まれる酵素「ペルオキシターゼ」には、体内で発生した過酸化脂質など、有害物質を分解する働きがあります。食品中に含まれる発がん物質を抑える効果もあると言われているため、よく噛んで唾液の分泌量を増やすと、がん抑制につながる可能性があります。
また、よく噛んで、食べ物をより細かく咀嚼すると、消化器官に負担をかけずに食物繊維を摂取できます。食物繊維は、腸内環境を改善する効果があり、腸内細菌のバランスを整え、悪玉菌を減らすことで、腸内環境をがんから守ることができます。
ただし、発がんのメカニズムは複雑であり、単一の酵素や食物繊維だけで完全に予防できるわけではありません。適度な運動や健康的な食生活、喫煙や過剰な飲酒を避けるなど、多角的なアプローチが必要です。
よく噛むには、正しい噛み合わせが大切
しっかり噛めるには、正しい噛み合わせであることが重要です。「上下の歯がうまく噛み合わない」「噛むと顎が痛い」「口の中を噛んでしまう」「食べ物をうまく噛み切れない」などの症状があると、違和感や痛みがあり「たくさん噛もう」とはならないでしょう。
また、噛み合わせが正常でないと、噛む回数が減るだけではなく、歯並びが悪くなったり、磨き残した箇所から虫歯や歯周病を発症するなどのリスクもあります。
もりもと歯科クリニックでは、口腔内環境が全身に及ぼす影響を考え、患者様と丁寧にお話しをしながら、1人ひとりの健康と生活の質の向上を支えています。「歯医者は、歯や口腔内のトラブル予防のために行くところ」と捉えていただけるよう、質の高い歯科医療を提供しています。
口腔内でお困りのことがあれば、愛媛県松山市のもりもと歯科クリニックへ、お気軽にご相談ください。
下記のページもご参照ください。
金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック
一般歯科|松山市、余戸・保免の歯医者|もりもと歯科クリニック