虫歯や歯周病の原因に?ドライマウスの原因と対策
2023/05/15 ブログ
こんにちは、愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。
当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、虫歯や歯周病にもつながる「ドライマウス」について解説します。
ドライマウスとは?
ドライマウスとは、さまざまな原因により唾液が減少して、口の中が乾燥してしまう状態のことです。「口腔乾燥症」とも呼ばれます。
唾液は、虫歯予防など口腔内の健康を維持する、食べ物を飲み込むのを助ける、口臭を予防するなど、重要な役割を担っています。
ドライマウスになると、口や唇が乾く、のどが渇く、口の中が痛い、口がネバネバする、しゃべりづらい、乾いたものが食べられない、よく咳こむ、むせる、味覚がおかしい、口臭が強くなる、などの症状が現れます。また、ドライマウスは虫歯や歯周病につながる可能性があります。
唾液には、口の中を潤して食べ物や細菌を洗い流すなど、お口の健康に不可欠な働きを持っています。
しかし、ドライマウスで口の中が乾燥すると、口腔内のバランスが崩れて細菌の数が増加し、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。また、口の中が乾燥することで、食べ物が歯に付きやすくなり、歯垢(プラーク)ができたり、歯の表面の酸蝕が進みやすくなったりします。
ドライマウスになる原因は?
ドライマウスを引き起こす原因は、いくつかあります。
1.加齢
加齢に伴い、唾液腺の機能が低下することがあります。また、加齢とともに薬物の代謝も低下するため、薬物の副作用によってドライマウスが起こる可能性が高くなります。
2.生活習慣
ストレスや不規則な生活習慣、喫煙なども、自律神経のバランスを崩すことによって、ドライマウスを引き起こすことがあります。
3.薬の影響
花粉症や高血圧の薬、降圧剤、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗てんかん薬、利尿薬、抗精神病薬など一部の薬には、唾液分泌を抑える副作用があります。また、口腔内用の局所麻酔薬なども、唾液の分泌を減少させることがあります。
4.糖尿病
糖尿病の患者さんは、高血糖によって神経や血管が損傷することがあります。これにより、唾液腺の機能が低下して、ドライマウスになる場合があります。
5.神経障害
唾液の分泌は、脳からの信号によって調整されていますが、脳の神経が正常に機能しないと、唾液の分泌量が減ることがあります。自律神経系の障害や、脳卒中などの神経疾患が挙げられます。
6.放射線治療
がんの治療で、放射線治療を受けることがありますが、のどや鼻など頭頚部のがんに対して放射線治療を行った際、照射された部分に唾液腺の組織が含まれていると、唾液腺が破壊されて唾液の分泌が減ってしまうことがあります。
7.ジェーグレン症候群
ジェーグレン症候群とは自己免疫疾患のひとつで、自身の免疫細胞が唾液腺や涙腺などの外分泌腺を攻撃して、それらを破壊してしまう病気です。唾液や涙を作る機能が低下するため、口や目が乾燥します。その他、リウマチ、乾癬など特定の疾患でも、ドライマウスを発症することがあります。
ドライマウスの対策は?
ドライマウスを防ぐには、唾液の分泌を促すのが効果的です。
1.唾液腺をマッサージする
指先を使って、耳たぶの下にある顎下腺や、耳の前にある耳下腺を軽くマッサージします。指先を軽く押しながら、円を描くようにゆっくりと動かすのがコツです。
そして、舌の下にある小さな丘状の舌下腺もマッサージしましょう。舌を上に向けたまま、舌の下の部分を指先でゆっくりとマッサージします。
同じ場所で20秒から30秒間マッサージを続け、休憩を挟んで2~3回繰り返しましょう。ただし、マッサージをすると痛みや違和感がある方、唾液腺の疾患を持っている方は、医師にご相談ください。
2.口腔内の保湿を心がける
水分補給をしっかり行う、口を閉じる、マスクをする、加湿器を使うなど、口の中が乾かないようにしましょう。唾液代替液や口腔内の保湿剤、口腔内スプレーなどを使う方法もあります。詳しくは、歯科医師にご相談ください。
3.ガムなどを噛む
ガムなど食べ物を噛むと唾液が分泌されるので、ドライマウスを防ぐのに役立ちます。キシリトールガムなら、噛むことで虫歯予防にもなります。
4.薬の変更や調整をしてもらう
薬の副作用がドライマウスの原因である場合、薬の変更や調整を行うことで改善する可能性もあります。ただし自己判断はせず、必ず医師の指示を仰いでください。
5.ストレスの緩和
ストレスや不規則な生活習慣、タバコの喫煙などは、ドライマウスの原因になることがあります。健康的な生活習慣を実践し、ストレスを軽減することで、ドライマウスを予防することができます。
6.歯科医院で治療を受ける
唾液分泌を促す治療を受けたり、唾液腺の機能を向上させたりすることで、ドライマウスの改善になります。
ドライマウスが気になる場合は、歯科医師へ相談を
ドライマウスでも、「なんとなく口が渇くなぁ」と思うだけで、あまり気にしない方も多いかもしれません。しかし、放っておくと虫歯や歯周病にもつながるため、早期発見・治療・予防が大切です。
ドライマウスの原因を調べ、適切な対策を取るためにも、気になる方はぜひ一度、愛媛県松山市のもりもと歯科クリニックへご相談ください。歯科医師、歯科衛生士が、患者様1人ひとりのお口の状態を確認し、健康と生活の質の向上を目指して、診療を行っています。
下記のページもご参照ください。
「お口の健康状態」が「全身の免疫」を変える?|ブログ|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山もりもと歯科クリニック
金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック
一般歯科|松山市、余戸・保免の歯医者|もりもと歯科クリニック