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奥歯も保険適用で白い歯に!PEEK冠とは?CAD/CAM冠との違いも解説

奥歯も保険適用で白い歯に!PEEK冠とは?CAD/CAM冠との違いも解説

2024/07/24 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただきありがとうございます。

前回のブログで、2024年6月より保険適用の範囲が広がった被せ物「CAD/CAM(キャドキャム)冠」について解説しました。そこで、すでに広く保険適用となっていた「PEEK(ピーク)冠」にも触れましたが、今回は、そのPEEK冠について、詳しく説明をします。

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PEEK(ピーク)冠とは

PEEKは「ポリエーテルテルケトン」の略で、素材はレジン(高強度プラスチック)です。いわゆる“白い詰め物・被せ物”ではありますが、アイボリー色なので天然歯と比べて目立ちやすいです。素材にセラミックが入っていない分、たわみやすく破損しにくいという利点があります。

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昔は保険適用で入れられる詰め物・被せ物は、銀歯のみでした。しかし技術の進歩により、銀歯に代わりコンポジットレジン(CR)や硬質レジン前装冠、CAD/CAM冠など白い素材を、徐々に使えるようになってきました。

それでも大臼歯(奥歯)は最近まで、銀歯を入れるか、一定の条件をクリアした一部の歯にCAD/CAM冠を入れるしか選択肢がありませんでした。ところが、2023年12月の診療報酬改定によりPEEK冠がすべての大臼歯(下図6・7・8番)に保険適用で使用できるようになり、これですべての歯に白い詰め物・被せ物を入れられるようになったのです。

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※その後、2024年6月の改訂により、CAD/CAM冠も条件付きではありますが、第二大臼歯(7番)、第三大臼歯(8番/親知らず)に保険適用で使えるようになりました。

CAD/CAM(キャドキャム)冠とは

このブログで何度か登場している「CAD/CAM冠」は、レジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材を、コンピューターで設計したデータを基に、機械で削って作る白い被せ物です。時間経過とともに変色・着色しやすいですが、天然歯に近い硬さ、自然な色味が特徴です。

参考:2024年6〜保険適用がさらに拡大!メタルフリーの白い被せ物「CAD/CAM(キャドキャム)冠」|ブログ|松山 もりもと歯科クリニック

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PEEK冠のメリット・デメリット

ここで、PEEK冠のメリット、デメリットを解説します。

メリット

・破折しにくい
PEEKは耐熱性、耐薬品性に非常に優れ、もともと医療機器や自動車・航空・化学関連部品に使われています。それだけ強度が高いため、割れたり欠けたりするリスクが低く、CAD/CAM冠と比べても丈夫です。
破折しにくいので、多くの歯を失った(多数歯欠損)方や、上下に噛み合う(咬合支持)歯がない方には、CAD/CAM冠より向いている場合があります。

・金属アレルギーの心配がない
ほかの白い詰め物もそうですが、メタルフリー(非金属)な素材のため、金属が溶け出して体内にまわり、金属アレルギーを発症するリスクがありません。

デメリット

・見た目が目立つ
アイボリーに近い色調で不透明なので、口腔内で天然歯と並ぶとどうしても目立ちます。審美性では、CAD/CAM冠など他の素材に比べて大きく劣るでしょう。

・臨床期間がまだ半年
2023年12月に大臼歯への保険適用が開始されてから、まだ半年ちょっとしか経っていないため、長期にわたって使用した場合の臨床結果はこれからとなります。

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CAD/CAM冠のメリット・デメリット

次に、CAD/CAM冠のメリット、デメリットを解説します

メリット

・保険適用で使用できるケースが増加
診療報酬改訂により、保険適用で使用できる部位が徐々に増加しています。最近だと2024年6月の改訂により、条件付きではありますが、第二大臼歯、第三大臼歯にも使えるようになりました。

参考:2024年6〜保険適用がさらに拡大!メタルフリーの白い被せ物「CAD/CAM(キャドキャム)冠」|ブログ|松山 もりもと歯科クリニック

・PEEK冠より審美性に優れている
PEEK冠がアイボリー色で不透明なのに対し、CAD/CAM冠はレジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材です。そのため、透明度があり自然な色味で天然歯に馴染みます。

※とはいえ色のバリエーションは多くはないので、より審美性を求めるなら、自由診療になりますがセラミックなどの素材が適しています。

デメリット

・咬合力が強い方などは破折リスクが高い
実際に治療をしていて、噛む力(咬合力)が強い方や、多くの臼歯にCAD/CAM冠を入れている方は、破折する可能性がPEEK冠より高いと感じます。これまで数多くの患者様に、保険診療でCAD/CAD冠を入れてきましたが、破折するケースは少ないもののゼロではありません。

・経年劣化により細菌が入る可能性がある
破折しやすいということは、表面に傷やヒビが入りやすいとも言えます。傷やヒビには汚れ(プラーク)や細菌が付着しやすく、隙間から入り込んで虫歯を引き起こすリスクがあります。また、経年により変色する可能性もあります。

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強度ならPEEK冠、審美性ならCAD/CAM冠、両方を望むなら自由診療を推奨

大まかに2つを比較すると、PEEK冠は審美性が劣るものの強度が高い、逆にCAD/CAM冠は強度が低いものの審美性に優れている、と言えます。他の素材も含め何を選択するのが良いかは、治療部位や状態によります。

もし強度と審美性のどちらも満たしたい場合は、保険診療ではなく自由診療での治療を検討されたほうがいいでしょう。オールセラミックやジルコニアなど、さまざまな素材をご用意しています。

参考:審美歯科|診療内容|松山 もりもと歯科クリニック

PEEK冠やCAD/CAM冠、自由診療の素材、すべてに共通しているメリットが1つあります。それは、どれもメタルフリーなので金属アレルギーを起こす心配がない、ということです。

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銀歯のイメージ画像

銀歯などの歯科金属は唾液により溶け出し、血液の循環に乗って全身にまわり、口の中だけでなく、全身でアレルギー反応を引き起こす場合があります。口内炎や口周りの湿疹、手足の湿疹など金属アレルギー症状のほか、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を発症することもあります。

もりもと歯科クリニックでは、体に害の少ない素材を使用することで、お口の健康はもとより、全身の健康を意識したメタルフリー治療を推奨しています。お口や全身の健康でお悩み、ご相談のある方は、ぜひ一度ご来院ください。

下記のページもご参照ください。
金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック 
歯の詰め物・被せ物 料金表|金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック