花粉症の治療薬「シダキュア」と歯科治療の関係性
2025/04/01 ブログ
こんにちは。愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」院長の森本です。
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2018年から使用 されるようになったスギ花粉症治療薬「シダキュア」は、歯科治療との関連で注意が必要です。この薬剤による副作用は、医師や歯科医師の間でもまだ十分に認識されていませんが、近年、各関係団体から多くの注意喚起文書が発行されています。
今回は、歯科治療を受ける際に知っておくべき「シダキュア」の影響について解説します。
花粉症の薬舌下免疫療法「シダキュア」とは
「シダキュア」は、スギ花粉症に対する舌下免疫療法に用いられる薬剤です。スギ花粉から抽出したエキスを原料とし、少量から服用を開始して体を慣らすことで、花粉症の症状を緩和します。使用前にはスギ花粉アレルギーの確定診断が必要であり、症状の有無にかかわらず毎日継続的な服用が求められます。
「シダキュア」は、約80%の患者さんに効果が見られる高い治療効果があるとされており、皮下免疫療法と比較して安全性が高く、副作用リスクが低いのが特徴です。
花粉症の治療薬「シダキュア」と歯科治療における副作用の注意点
舌下免疫療法中の患者さんが抜歯や歯周外科などの処置を受ける際には、副作用に注意が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
口腔内に傷と副作用リスク
口腔内に傷がある状態で「シダキュア」を服用すると、傷口から薬剤が通常よりも多く吸収され、強い副作用を引き起こす可能性があります。特に舌下免疫療法を開始してから約1ヶ月間は、副作用のリスクが高くなります。この副作用には腫れなどの症状が含まれ、特に奥歯付近で強い腫れが生じた場合には、呼吸困難や窒息など、深刻な問題を引き起こす危険性もあります。
「シダキュア」服用中の小児歯科治療での注意点
5歳以上のお子さんも「シダキュア」を使用できますが、小児期は歯の生え変わり時期にあたるため、口内に自然と傷ができやすい状態です。特に、乳歯が抜けた部位や永久歯が萌出してくる部位は、粘膜がデリケートで傷つきやすくなっています。
また、子どもは大人に比べてアナフィラキシーショックが起きやすいとされています。そのため、「シダキュア」服用中にお子さんの歯科治療を行う際は、事前に歯科医師と花粉症担当医の間で十分な連携を取ることが大切です。治療後はお子さんの口腔内の状態変化や体調の変化を注意深く観察し、異常が見られたら速やかに医師に相談しましょう。
「シダキュア」服用中の歯科治療の対応方法
舌下免疫療法中だからといって過度に心配する理由はありません。
「シダキュア」服用中でも、適切な対応を行うことで安全に歯科治療を受けることができます。抜歯などの外科的処置が必要な場合は、歯科医と花粉症治療医の間で休薬期間などを相談します。治療を安全に行うためには、対応方法を理解しておきましょう。
計画的な歯科治療
可能であれば、大きな歯科治療(複数の抜歯や広範囲の歯周外科手術など)は、舌下免疫療法の開始前に済ませておくことが理想的です。舌下免疫療法を中断した後でも投薬を再開できますが、中断期間が長いと初回投与量から再スタートする必要がある場合があります。これは、高濃度の薬剤で急に治療を再開すると、副作用が生じるリスクが高まるためです。
このように、歯科治療と舌下免疫療法のタイミングは非常に重要です。舌下免疫療法を開始する前に大きな歯科治療を済ませておくことが理想的ですが、すでに舌下免疫療法を開始している場合は、歯科医師と相談し、適切なタイミングで治療を行いましょう。
自己判断での薬剤中断は控える
薬剤の服用を中断する必要がある場合は、必ず医師に相談し、指示に従ってください。自己判断での服薬中断は控えましょう。
なお、通常の抗ヒスタミン薬(アレグラなど)の服用は歯科治療に影響しないため、通常通りの診療が可能です。
歯科受診時には必ず薬剤使用を申告しましょう
「シダキュア」による舌下免疫療法中の歯科外科処置には注意が必要ですが、適切な対応により安全に治療を受けることが可能です。歯科受診時には必ず薬剤使用を申告し、医師間の連携を大切にしましょう。また、舌下免疫療法を予定している方は、事前にかかりつけの歯科医師に相談することをおすすめします。
花粉症は国民病とも言われる一般的な疾患ですが、このような新しい治療法では医療連携が特に重要です。服用中の薬剤情報を常に医療機関へ伝えることで、安全で効果的な治療を両立することができます。正しい知識を持ち、医療機関と協力して治療を進めていきましょう。
舌下免疫療法中の歯科治療に関して、お悩みの方や気になることがあれば、松山市の歯医者 「もりもと歯科クリニック」へお気軽にご相談ください。
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