disease 掌蹠膿疱症
~メタルフリー治療で症状を改善へ~

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    ~メタルフリー治療で症状を改善へ~

「もりもと歯科クリニック」は、口腔内に原因があると考えられる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の治療に力を入れています。お一人おひとりの体質や症状などに合わせたメタルフリー治療や、お口の中の慢性炎症の改善によりつらい症状の改善を目指しています。

掌蹠膿疱症とは

掌蹠膿疱症の症状

掌蹠膿疱症の症状

掌蹠膿疱症は、てのひらや足の裏(足蹠)に水疱や膿疱が繰り返し発症する病気です。てのひらや足の裏以外の、手足の爪、すねや膝、肘、頭などに症状が現れることもあり、患者様によっては骨関節炎を合併し関節痛を引き起こすこともあります。膿疱の中には細菌やウイルスなどの病原体は存在しないため、直接触れても人に感染する恐れはありません。しかし、掌蹠膿疱症の症状は人に手を見られたくない、家事ができない、歩くことも困難になるなど、生活の質(QOL)を著しく低下させます。

掌蹠膿疱症の原因について

掌蹠膿疱症の原因について

掌蹠膿疱症の原因については、解明されていないことも多くありますが、喫煙・病巣感染・金属アレルギー・ストレスなどが要因となるケースが多いことが分かっています。また近年では、虫歯治療で使用された歯科金属による金属アレルギーや根尖病巣(歯根の先の炎症)などのお口の中の病巣感染が、掌蹠膿疱症の一因になる恐れがあることが広く認識されてきました。

歯科金属によるアレルギー

お口の中の歯科金属が唾液などによりイオン化して溶け出し、全身を循環します。イオン化した金属はタンパク質と結合しアレルゲンとなるタンパク質に変質することで、掌蹠膿疱症の原因や誘因になる可能性があります。

病巣感染

また、根尖性歯周炎や歯周病などの慢性炎症で産生される炎症を誘発する物質(炎症性サイトカイン)が、歯ぐきの血管から直接取り込まれることで全身に行きわたり、掌蹠膿疱症の原因や誘因になっていると考えられるケースがあります。

口腔内に原因がある場合の掌蹠膿疱症の治療法

口腔内に原因がある場合の掌蹠膿疱症の治療法

  • 1 メタルフリー治療
  • 2 慢性炎症(病巣感染)の改善

当院では、掌蹠膿疱症の原因と考えられる歯科金属や口腔内の慢性炎症に対する治療において、歯科医院ならではの診療で掌蹠膿疱症改善のアプローチをします。丁寧なカウンセリングから皮膚科と連携した検査、中長期的な経過観察まで院長自ら行っていますので、安心してご相談ください。
掌蹠膿疱症の原因と考えられるものが分かれば、その原因を取り除く治療を行います。口腔内にある歯科金属が原因で掌蹠膿疱症を発症している場合は、安全に歯科金属を除去し、メタルフリーなセラミックなどの素材に入れ替えることで症状の改善が見られることがあります。また、口腔内の炎症がある場合は、その治療を行うことが重要です。そのほか生活習慣、食生活に至るまで、様々なアドバイスをさせていただきます。

1 メタルフリー治療

メタルフリー治療の際のポイント

治療に使う素材の取り扱いや選定

治療に使う素材の取り扱いや選定

メタルフリー治療は、単に歯科金属を取り除くだけではありません。当院では素材の取り扱いや選定にも十分に注意したうえで治療に臨んでいます。例えば、噛み合わせの強さに合わせたセラミックの材質の選択や、用途による接着剤の使い分けを行っています。また、セラミックを口腔内にセットする時には、ラバーダムを使用し乾燥下で接着することを徹底しています。一つひとつの処置や対応も通常の歯科治療の際の配慮に加えて、アレルギーに対する注意を払って丁寧に行うことを心がけています。

金属が体内に入らないようにする処置

金属が体内に入らないようにする処置

口腔内の歯科金属を取り除く際に、削りカスなどが体内に入ってしまうと金属アレルギーの方は、治療が原因で症状が悪化する恐れがあります。そのため、金属を取り除く処置の際には、体内に金属が入らないようにする配慮が必要になります。当院では、予防処置として金属の細かい粉塵を吸い取ることができる口腔外バキュームや薄いゴムのシートで患部以外を覆うラバーダムを使用し体内に入る金属を極力少なくすることで、患者様の健康に気遣った処置を行っています。

歯の破折が生じないようにすること

歯の破折が生じないようにすること

歯科金属を取り除く際に密接しているご自身の歯が破折する危険性があるので、精度の高い治療技術と同時に慎重を期す必要があります。当院では歯の破折のリスクを軽減するために、なるべく削らずに超音波を使用した除去方法を導入しています。破折を防ぐためには担当医の施術経験も非常に重要になってきます。

2 慢性炎症の改善

歯肉の炎症や感染根管は併せて対応が必要

歯肉の炎症や感染根管は併せて対応が必要

お口の中の病巣(慢性炎症)が原因となり、掌蹠膿疱症を起こしていたり、悪化させていると考えられる場合、口腔内の病巣を取り除く治療が必要です。
根尖性歯周炎がある場合には、優先して根管の感染除去を行います。根管治療を行う際には、口の中全体を薄いゴムのシートを被せ、歯の部分だけを外に露出させるラバーダム防湿を採用し、治療する歯に多くの細菌が存在する唾液がかからないよう配慮します。
その他、歯周病などの慢性炎症がある場合にも治療が必要です。歯周病については、炎症のコントロールが必須で、原因である歯垢の除去や歯石の除去を行います。日々の歯磨きなどのセルフケアを入念に行うことは必要ですが、歯科医院でのクリーニングも大変重要になります。

セラミック治療の素材の種類

患者様ごとに適した素材を選定します。当院で扱うセラミックの素材は以下の表の通りです。また、セラミックを取りつける接着剤にもアレルギー反応を示す場合があるので、患者様のお口の状態や性質等、条件に合わせて適切な接着剤を選びますので、ご安心ください。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

種類 素材 特徴 保険 料金
インレー
(詰め物)
オールセラミック 素材すべてにセラミックが使用されている詰め物。天然歯の中にあっても自然な色合いで目立たない。審美性が高く長年使っても変色しにくい。 60,000円

(税込66,000円)

ハイブリッド レジン(歯科用プラスチック)にセラミックの粉末を混ぜた素材。セラミックほど硬くなく、適度な粘り強さを兼ね備えている素材。セラミックよりは透明度が劣りますが、噛む力の強い奥歯の詰め物に適している。 40,000円

(税込44,000円)

レジン プラスチックの素材。金属アレルギーの心配がなく、保険適用のため費用を抑えられる。吸水による変色、柔らかさによるかみ合わせの低下、かけやすいなどのリスクがあります。 保険適応
クラウン
(被せ物)
オールセラミック 素材すべてにセラミックが使用されている被せ物。天然歯の中にあっても自然な色合いで目立たない。審美性が高く長年使っても変色しにくい。 80,000円

(税込88,000円)

ジルコニア 人工ダイヤモンドの強度を生かして歯科用の素材として調整した素材。セラミックの中でも一番優れた審美性・耐久性がある。 100,000円

(税込1110,000円)

CAD/CAM CAD/CAM冠はレジンとセラミックを混ぜたハイブリットレジンを使用。第一小臼歯、第二小臼歯(中央から数えて4、5番目の歯)に保険適用が可能。 保険適応
コア
(歯の土台)
ファイバーコア 歯を補強するグラスファイバー製の土台で白い被せ物に透明度がでて美しく仕上がるほか、しなるので歯根の硬さに近く、しなるので歯根破折のリスクが低くなるなどのメリットがある。 15,000円

(税込16,500円)

レジンコア ピンで補強したプラスチック(レジン)の土台です。ファイバーコアより弾性や強度、耐久性は低く、また直接お口の中で製作するため、術者のテクニックや歯の環境によって予後が左右されやすい。 保険適応

料金は目安です。すべて税別の料金です。

接着剤素材の種類

当院では、患者様のお口の状態や性質、条件に合わせて適切な接着剤を使い分けています。最適な接着剤をきちんとセレクトするためにも、事前にお口の状況の診断やヒアリングをさせていただきますので、どうぞご協力ください。

メタルフリー治療の素材の選び方について

メタルフリー治療の素材の選び方について

自費診療か、保険診療かを問わず、金属アレルギーの原因である歯科金属を取り除けば、症状の改善が期待できます。しかし、患者様が抱えているアレルギーは金属だけとは限らないので、なるべく体との親和性が高い素材を選ぶことをおすすめします。例えば、保険診療で使用されるレジンにアレルギー反応を方がおられるなど、安全性においてはセラミックに劣るという事実があります。そのため、アレルギー体質の方には、セラミックの素材を選ぶことをおすすめします。保険診療では使える材質に限りがあるので、「自費診療の方がいい」というのではなく、患者様の状態に合わせて自費診療をお勧めすることもあります。